事務職は資格不要・未経験でも挑戦しやすい、女性にとっての人気職種です。
イメージとして「残業少なめ」「体力的に楽」「黙々と作業ができる」といったように思っている方も一定数います。
一方で、実際の事務職の仕事とはどんなものかよく理解していない方も多くいます。
この記事をご覧の皆さんはこんなことを考えているかもしれませんね。
- 事務職って実際にどんな仕事をするの?
- 事務職にも色んな種類があるって本当?
- 事務職への転職方法は?
そこで今回は、そんな疑問や不安を解消するべく事務職の仕事の種類や求められるスキル・転職方法について解説していきます!詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
- 事務職の仕事内容
- 事務職に必要なスキルとは?
- 事務職への転職方法
Contents
事務職ってどんな仕事?

事務職の仕事内容は「他の社員のサポート」です。
サポートですので直接業績に貢献できることは少ないですが、他の社員がスムーズに仕事を進めるにはなくてはならない存在です。
そんな事務職の基本的な仕事は以下の5つです。
- 社内や社外からの電話・メール対応
- 来客対応
- データ入力作業
- 社内・社外向けの書類作成
- 備品の管理
ひとつずつ解説していきます。
社内や社外からの電話・メール対応
まず、社内や社外からの電話・メール対応を行うのは事務職の基本業務です。
社内の他部署や社外からの電話やメールを、担当者へ正確に引き継ぐことが求められます。必要であれば、返信のメールを作成・送信することも。
特に電話対応では、先方に好印象を持ってもらうために、正しい言葉遣いや声のトーンといった部分を常に意識していなくてはいけません。
最初の電話やメール対応で、先方に会社全体の印象の良し悪しを判断される場合もあります。
来客対応
来客対応は電話とは違い対面での対応ですから、表情や身だしなみといった部分も気を配らなければいけませんよね。
また、来客対応は、単に先方を迎えるだけではありません。
- 受付
- 先方の会社名やお名前を伺う
- アポイントの有無を確認する
- 会議室や待合いスペースなどに案内する
- お茶を出す
こういった工程を全て丁寧に行わなければいけないのです。
特にお茶出しはマナーもあり、慣れていないと緊張もしてしまいます。可能なら練習しておいた方が安心です。
データ入力作業
データ入力作業で扱うデータは、会社や部署によって違いがあります。
たとえば、売上や顧客情報・マーケティングデータといったようなデータを入力します。
さらに、自社社員の勤怠や文字起こし・手書きメモのデータ化といったようなものまで。
入力作業は単純作業でもあるので、スピードや正確さが求められる作業ともいえます。
正確さがかけると修正の手間がありますし、スピードがなければ仕事は終わりません。ワードやエクセル・ツールの入力に慣れる必要があります。
社内・社外向けの書類作成
作成する書類の範囲も、会社によってさまざまです。
請求書や帳簿・公的書類まで扱うケースがあります。大企業であれば分業化によって扱う書類は限られています。一方で、小さな規模の会社であれば社内の書類を全て作成することもあるでしょう。
また、作成した書類のファイリングや整理も事務職の仕事です。紙ベースの書類ならバインダー・PCのファイルであればフォルダで管理するといったように、すぐに必要なときに閲覧できる状態を保つことが必要です。
加えて、書類の郵送といった仕事も事務職が行うことが多くなっています。
備品の管理
文房具やコピー用紙といった備品が不足してしまうと、業務が滞る場合があります。
備品の仕入れや管理までしっかり行う必要があり、重要な業務なのです。
現在ではデジタル化・ペーパーレス化が進んでいるので、備品を使う機会も少なくなっています。日々管理をすることで「なくなってから気づく」といったことがないようにしたいものですね。
部署によって異なる業務内容

ひとことで「事務職」といっても、その業務内容は部署によって異なります。
たとえば、経理部門であれば経理事務・総務部であれば総務事務、といった具合です。ここでは、代表的な以下の7つの部署での事務職を説明します。
- 一般事務
- 営業事務
- 人事・労務事務
- 総務事務
- 法務事務
- 貿易事務
- 医療事務
ひとつずつ解説していきます!
一般事務
一般事務は、書類の作成や管理といった先ほど説明したような業務が主な仕事です。
次に説明するような専門的な分野以外や部署をまたぐような分野の事務は、一般事務と言われることが多いです。
一般的に事務職といえば、この一般事務のイメージが強いかと思います。
営業事務
営業事務の仕事内容は、営業職の人たちのサポートです。
商品やサービスに関係する書類である見積書から発注書・請求書といったような書類の作成と管理が主な業務です。
「商品やサービスが問題なく顧客の手元に届き、その代金の受け取りをスムーズにする」ともいえますね。プレゼンテーションの資料作成や来客の対応なども行います。
経理事務
経理事務の仕事内容は、会社のお金のやりとりをスムーズに・正確に行えるように書類の作成や整理をする仕事です。伝票の仕分けや帳簿管理・経費精算といった業務内容が主な内容です。
簿記や法律に関する知識が必要になることもあり、月次・年次決算といった大きな金額に関わることも。
また、入出金を行うこともあり、銀行とのやり取りも経理事務のしごとに含まれます。
人事・労務事務
人事・労務事務の仕事内容は、社員採用や退職といった関係の手続きや勤怠状況な管理・給与計算といった仕事内容です。
このように、社員の入社から退職までの一連の業務を担当します。また、お祝い金や労災保険の手続きといった福利厚生の部分にも関わることがあります。
総務事務
総務事務の仕事内容は、文房具やPCといった備品・設備の管理といった、会社運営に必要なものの準備と管理です。
このほかにも、オフィスやテナントの防災・防犯対策にも関わります。さらに、社外イベントの運営や冠婚葬祭の対応なども総務事務が担当するケースも。
会社の規模によっては、先ほど説明した人事・労務事務業務を合わせて行うことがあります。
法務事務
法務事務の仕事内容は、主に契約書のチェックと管理です。
契約書は、主に独自のひな型やクラウドツールを使うことが多く、その内容に不備や抜け漏れがないか確認をします。ひな型では、必要に応じたカスタマイズや更新を行うこともあり、そこに法的な問題はないかといった部分も法律事務がチェックします。
また、労働問題といった場合では先程の総務・人事・労務事務との連携も行い、法的な観点
から解決を目指すことも。その場合は顧問弁護士への取り次ぎを行います。
貿易事務
貿易事務の仕事内容は、輸出・輸入に関する手続きの処理です。特に資格が必要ではないものの、事務職の中でも専門性が高い内容となっています。
というのも、海外とのコミュニケーションが頻繁にある事務職なので、英会話や英文のスキルが必要とされるからです。ほかにも、輸出・輸入に関係する法的な知識も必要となる事務職です。
医療事務
医療事務も専門的な要素が強い事務職で、保健対応分の診療費用を健康保険組合に請求する仕事です。
未経験・無資格でも働きことは可能ですが、診療費用の請求は一定の専門知識が必要となります。「医療事務認定実務者」の資格があれば即戦力として活躍できることも大きな特徴といえます。
ほかにも、来院者の受付けや会計・電話応対・カルテ整理といった医療に関係する仕事も医療事務の仕事です。
事務職に必要なスキルは?

事務職全般で必要なスキルは以下の4つです。
- コミュニケーションスキル
- PCスキル
- 正確さとスピード
- 基本的なビジネスマナー
この中でも、事務職採用のときに重視しているのは、コミュニケーションスキルです。
繰り返しですが、事務職はほかの社員が仕事を行いやすいようにサポートするのが最も大切な業務です。
そういった業務内容なので、おのずとコミュニケーションスキルは必要になってきますよね。
ひとつずつ解説していきます。
コミュニケーションスキル
事務職はほかの社員から仕事を頼まれるケースが多くなります。ほかの社員が気持ちよく仕事を進めるためには「気づかい」や「思いやり」が不可欠です。
社内・部署内の雰囲気を良好に保つためにも、必要なスキルです。
社内のみならず、顧客とのやり取りにおいてもコミュニケーションスキルは大切。相手の意図をくみ取る・要件を正確に間違いなく伝えるといった場面でも、コミュニケーションスキルは欠かせません。
PCスキル
PCスキルも同様に重要です。というのも、事務職の仕事はほぼすべてがパソコンを使用するからです。
PCの基本操作や、エクセル・ワードといったOfficeソフトのスキルは理解しておく必要があります。
さらに、会社ごとにツールやソフトが違う場合があります。このような場合でも、初見でもある程度は対応できるPCスキルやリテラシーが必要です。
細かい操作は後々覚えばいいかもしれませんが、そもそも拒絶してしまうようだと事務職は難しいかもしれません。
正確さとスピード
事務職は作業の正確さとスピードも求められます。書類の作成や処理・整理といった業務で正確さは必須ですし、スピードも同様です。
正確で、すばやい書類作成にはキーボードのブラインドタッチやショートカットキーのマスターもしておいた方がいいでしょう。
また、事務職が作成する書類の多くは締切りがあります。スピードとともに締切りに遅れないようなスケジューリングも必要です。
基本的なビジネスマナー
ビジネスマナーは社会人としての必須スキルですが、事務職では特に重視されるスキルです。ビジネスマナーとは、仕事をする上で必要なマナーの総称であり、円滑なコミュニケーションの第一歩となるスキル。
たとえば、以下のようなビジネスマナーは最低でも習得しておくべきです。
- 基本の挨拶(いらっしゃいませ・ありがとうございます)
- 尊敬語や謙譲語・丁寧語といった敬語
- 名刺の受け渡し方
- 電話での受け答え
とくに、敬語に関しては、意図せず間違った使い方をしてしまっているケースもあります。会社の顔とも言える事務職ですので、敬語の間違った使い方には注意が必要です。
事務職の求人倍率の現状

大手転職サイトによると、転職求人倍率は全体で2.5倍程度になっています。
転職有効求人倍率とは、求職者ひとりあたりの仕事の量です。この場合だと、ひとりの求職者に対して2.5件の求人があることになります。
そんな中、事務職での求人倍率はおよそ0.3です。つまり、3~4人にひとりしか事務職に転職できない、といった状態なのです。
事務職に転職する方法は?
このように、転職の難易度が高い事務職。
では、転職したい場合はどうすればいいかというと、以下のような方法で求人に申し込むと確率はあがるかもしれません。
- 女性の転職に強い転職エージェントを使う
- MOSといったオフィス系の資格を取得する
- まずは契約社員や派遣社員として働く
難易度が高い職種への転職は、女性の転職に強い転職エージェントを使うといいでしょう。
転職エージェントのような転職のエキスパートにフォローしてもらうことで、転職成功の確率はグッと上がります。
また、事務職は未経験・資格なしでも応募できます。つまり、そういった応募者が多くなるのは当然。そこで事務職に役立つような資格を持っていれば、一歩リードした応募者となります。

加えて、派遣社員として入社する方法もあります。契約社員や派遣社員として経験を積み、そのまま正社員になる・経験を活かして他社に転職するといった方法も検討してもいいかもしれませんね。
ただ、正社員での雇用は約束されませんし、キャリアを考えると多少のリスクがある方法でもあります。

事務職はチャレンジする価値あり!

このように、事務職への就職・転職はなかなか厳しい現状です。
とはいえ、この記事や上記の記事を読んでくれたあなたは、一歩リードした存在になっているかもしれませんよ。
事務職はワークライフバランスも比較的取りやすいので、チェレンジしてみるといいですね!