今や当たり前になりつつあるテレワーク。あなたの周りにも「テレワークで働いている」という人はいませんか?そんなテレワークについて、概要、メリットデメリット、事例、テレワーク・デイズなどさまざまな観点からわかりやすく解説します。
- テレワークは、 雇用型と自営型の2種類で、細分化したものを合わせると計5種類
- テレワークは、「働く私たち」「会社」「社会」さまざまところにメリットをもたらす
- Yahoo!やキリン、大同生命保険など多くの企業が導入している
Contents
テレワークってそもそもどんな働き方なの?
テレワークは、インターネットやスマートフォンといった端末を用いて、自ら働く場所を選べる働き方です。会社に行かなくてもチャットやWeb会議を通じて情報やタスクの共有をメンバーと行い、仕事を進めていく働き方といえるでょう。
ちなみに、テレワークという言葉は、「tele=遠く」「work=労働」を組み合わせてできています。
テレワークは雇用型と自営型の2種類
一言でテレワークと言っても、その型は大きく分けて雇用型と自営型の2つがあります。それぞれにどのような働き方があるのか紹介していきます。
雇用型
名前の通り、企業に雇われている人が行うタイプで3種類あります。
1.在宅勤務
在宅勤務はその名の通り、自宅を仕事場とする働き方です。自宅でインターネットやパソコンを用いて働くタイプが在宅勤務の代表格です。
2.モバイルワーク
モバイルワークとは「勤務先に通う」といった制約なく場所や時間にとらわれない働き方です。主にPCやタブレットのようなモバイル機器を使い仕事をするためモバイルワークと呼ばれています。
3.施設利用型勤務
サテライトオフィスやテレワークセンター、スポットオフィスといった施設を利用して働くタイプです。
サテライトオフィスについてはこちらの記事で詳しく解説していますよ!
自営型
自営型は2種類あります。
1.SOHO
専門分野を持った人が知識やスキルを活用して仕事を行うタイプで、自宅と職場を兼ねる状況が多いです。「Small Office Home Office」(スモールオフィス・ホームオフィス)の頭文字を取ってSOHOと呼ばれています。
2.内職副業型勤務
誰でも出来るような仕事を行うタイプで、多くは会社との雇用関係のもと行われます。
テレワークをする人の割合は?
国土交通省が平成30年に発表した「平成29年度テレワーク人口実態調査」から、テレワークをする人つまりテレワーカーの割合を見てみましょう。
- 在宅勤務のみ 16.9%
- モバイルワークのみ 14.4%
- 施設利用型のみ 27.4%
- 在宅勤務+モバイルワーク+施設利用型 15.4%
- 在宅勤務+モバイルワーク 11.2%
- モバイルワーク+施設利用型 10.1%
- 在宅勤務+施設利用型 3.7%
※3つのタイプ以外で働くテレワーカーを含まないため合計値は100%になりません。
働く私たち、会社、社会がテレワークで得るメリットとデメリット・課題!
ここで、働く私たち、会社、社会がテレワークで得られるメリットとデメリット・課題を見てみます。
働く私たちが得られるメリット
私達がテレワークをするにあたって得られるメリットは以下の様なものです。主なメリットとしては、ワークライフバランスの実現やストレスの軽減があります。
ワークライフバランスと時間
業務や休憩などの時間配分を私たち自ら設定できますので、時間を自由に使えます。「一定時間仕事をして休む」「長時間集中して長めに休む」など方法も選べますよね。
ストレスが減ってラクになる
会社に出社した場合、支度、人の多い電車、急な会議や残業などさまざまな事柄によりストレスも増えやすいですが、テレワークでは自分の働きたい場所を選べるためストレスがたまりにくいのです。
働く私たちが抱えるデメリット・課題
メリットの一方でデメリットもあります。主なメリットは社内にいないからこそのものが多いようです。
自己管理が大変!
時間や業務進捗などの自己管理は働く人自身に委ねられるため、自己管理ができない場合、業務が滞ってしまいます。
しかし雇用型でテレワークを利用する場合、ほとんどにおいて、
- 始業や終業時、上司に連絡を入れる
- その日の成果などを日報にして提出
など決められていますから、完全にだらけてしまう……という状況は少ないでしょう。
コミュニケーション面で大変!
何かあったらすぐ対面で話ができる社内での仕事と異なり、テレワークは独りで業務を進める場合がほとんど。そのため、「報連相」が難しくなりやすいのです。
しかし雇用型では、グループウェアといった情報共有やチャットができるツールを用いますし、自営型もそれは同じ状況。よってそれほど問題はないと考えられますね。
会社が得るメリット
私たちにとってのメリットもありますが、テレワークを行う会社にとってもいくつかのメリットがあります。
働く人のモチベーションが上がる
プライベートと仕事の両立により、ワークライフバランスが実現した働く人はモチベーションが向上。副次効果として生産性向上や離職率の低下も期待できるでしょう。
災害でも会社の機能が止まりにくい
災害で交通機関が止まり出社できない、会社が被災した……なんて状況もあり得ますよね。しかしテレワークを導入していれば別の場所で稼働できるため、会社の機能が止まりにくくなるのです。また無理な出社を控えられるので、働く人の命も守れます。
会社が抱えるデメリット・課題
会社視点で考えてもメリットばかりではありません。デメリットや課題もあります。
セキュリティはどうしよう?
機密情報が漏れ出る、パソコンなどがウイルスに感染するといったリスクがあるため、テレワーク導入には、セキュリティ対策が欠かせません。
長時間労働になるかも?
テレワークを実施している社員が「見えない長時間労働」をしていても、会社はその実態を把握しにくいです。勤務時間をチェックするシステムの導入が必要でしょう。
テレワークってどんな企業が導入しているの?
実際、どんな企業がテレワークを導入しているのでしょうか。
Yahoo!
IT大手のYahoo!では、自分の希望する場所で働ける「どこでもオフィス」という取り組みを実施しています。対象となるのはヤフーで働くすべての人。前日までに上司に申請するとどこでもオフィスを利用できますが、月5回までと上限が決まっています。
何とこの「どこでもオフィス」により、2015年度の産休・育休の復職率が97.2%となったそうです。
キリン
飲料メーカーとして有名なキリンでテレワークが導入されたのは2013年4月。目的は、社員のワークライフバランスを大切にし、生産性を向上させるためでした。対象は本社で働くすべての社員で、1時間単位で利用できます。
キリンは、自宅から社内のネットワークに接続できるシステムを整えたり、上限回数を導入当初の月4回から月8回まで拡大したりと、在宅勤務が社員に活用されるような仕組みを整えているのです。
大同生命保険
大同生命保険といえば、連続テレビ小説『あさが来た』でさらにその名を轟かせましたよね。ヒロインのモデルとして有名な広岡浅子さんが創業者の一人とされているからです。そんな大同生命保険では、2014年4月から在宅勤務制度を導入しています。
その際、 テレワークで使うパソコンやタブレット端末に自動でシャットダウンする機能を盛り込み、「稼働時間を延長するには上司の承認が必要」という仕組みを整えました。これにより、見えない長時間労働を防ぐようにしたのです。
そして下記のような結果が生まれました。
- 2013年には3.70だった従業員の総合満足度が2015年には3.78にアップ
- 2014年と比べて2016年における一人あたりの月平均残業時間が24%減少
さらに平成29年、総務省が認定する「テレワーク先駆者百選」にて、「特に優れた取組である」と認められた会社しか選ばれない総務大臣賞を受賞したのです。
テレワーク・デイズって?
総務省や内閣府などと東京都が連携して行う運動で、2020年に開催される東京オリンピックの開会式となる7月24日を「テレワーク・デイ」とし、テレワークが浸透するよう取り組みを実施しているのです。(2020年4月現在、2020東京オリンピックは2021年に延期となりました)
テレワークの進化に期待!
テレワークは、「出勤」という当たり前を大きく変え、それにより私たち含む働く人の生活や未来も大きく変わりつつあります。さらに、今後テレワークが進化する可能性も高いです。今後どのようにテレワークが進化し、新しい働き方が生まれるのか、どんな未来が待っているのか、期待が高まりますね。