興味を持つ人が増えているというサテライトオフィス。一体どんなオフィスなのか知っていますか?自宅や会社と異なるもう1つのオフィスとして注目を集めるサテライトオフィスについて、わかりやすく解説します!
- サテライトオフィスは、「自社だけ」と「他社と共用」2種類ある
- 「端末やネットワークの発達」や「地方創生」によってサテライトオフィスが注目された
- 時間やワークライフバランス、災害時などでメリットも多いが、コミュニケーションやセキュリティ、自己管理や評価など課題も山積み
Contents
サテライトオフィスって一体何?
ここでは、サテライトオフィスとはから、サテライトオフィスの種類について解説していきます。
サテライトオフィスそのものを知ろう!
サテライトオフィスとは、会社以外の場所に設置されたオフィスで、多くは、地方の大きな都市や郊外に設置されます。
テレワークと呼ばれるインターネットやスマートフォンといった端末を用いて、自ら働く場所などを選べる働き方に「施設利用型勤務」があるのですが、その施設に当たるのがサテライトオフィスなのです。
テレワークについてはこちらの記事で詳しく解説していますよ!
サテライトオフィスは2種類!
サテライトオフィスと一言でいってもその種類は様々なものがあります。ここからはその代表的な区分を2つ紹介していきます。
自社だけのサテライトオフィス
1つは、自社が保有する自社だけのサテライトオフィス。訪れる人は社内の人やグループ会社の人ばかりですので、セキュリティや機密事項で安心面が増えますね。食べ物や飲み物、携帯用トイレや毛布などを備えておけば、自社専用の避難施設にもなります。
他社と共同で使うサテライトオフィス
もう1つは、他社と共同で使うタイプ。さまざまな人が利用するため、交流が活発になったり刺激になったりする一方、セキュリティや機密事項に関する対応策が必要です。
会社員やフリーランス、起業家など多くの人が訪れる状況を見越して、イベントなどが行われる場合も多いとされています。
サテライトオフィスって利用してみたい?みんなの利用意向を調べてみた
実際、 どれくらいの人がサテライトオフィスを利用したいと思っているのでしょう。調査から見ていきます。
ザイマックス不動産総合研究所が行った「首都圏オフィスワーカー調査2018」では、サテライトオフィスを「サードプレイスオフィス」つまり会社でも自宅でもない3つ目のオフィスとして捉えており、それを5つに分類しているのです。
- タッチダウン 個人で利用
- プロジェクトルーム チームやプロジェクトで利用
- シェア型サテライトオフィス 企業で利用
- 子育て支援機能付きのオフィス 個人で状況に応じて利用
- コワーキング型オフィス 企業や個人などさまざまな人が利用
サテライトオフィスは、企業単位で利用する状況がほとんど。 そこで3番のシェア型サテライトオフィスに絞り、利用に対する関心度を「利用してみたい」「やや利用してみたい」から見ていくと、以下のような結果になりました。。
20~24歳:「利用してみたい」3.9%「やや利用してみたい」34.6% 合計38.5%
25~29歳:「利用してみたい」15.1%「やや利用してみたい」23.0% 合計38.1%
30~34歳:「利用してみたい」7.8%「やや利用してみたい」30.0% 合計37.8%
また、「サードプレイスオフィスを利用する際に重視すること」(複数回答)を見ると、
セキュリティ:「重視する」29.8%「やや重視する」33.8% 合計63.6%
無料の wi-fi:「重視する」28.2%「やや重視する」32.7% 合計60.9%
自宅から近い:「重視する」27.8%「やや重視する」43.9% 合計71.7%
静かさ:「重視する」26.4%「やや重視する」37.5% 合計63.9%
このような結果になりました。
出典元:首都圏オフィスワーカー調査2018|ザイマックス総研
https://soken.xymax.co.jp/2018/06/06/1806-worker_survey_2018/
どうしてサテライトオフィスが増えているの?
どうしてサテライトオフィスという施設が増えているのでしょうか。そこには2つの理由があると考えられます。
端末やネットワークの発達によって、オフィス外での仕事も可能となった
今や当たり前のようにインターネットとスマートフォンやタブレットといった端末が使えますよね。これらによって働き方が広がり、「仕事はオフィスでするもの」といった概念が変わってきたのです。
地方創生の足がかり
都会に会社が集中していけば、働く人の多くも都会に集まります。その一方で、地方は過疎化の一途を辿り、問題となっていました。
しかし、サテライトオフィスのように何らかの形でオフィスを地方に構えると、
- 地方に住む人
- 都会から移住したい人
- 都会にも通えるけれど地方のほうが近い人
など多くの人が働けるようになってきたのです。また、これまで都会に通勤できないため、能力が発揮できなかった人たちの能力が発揮される機会も増えました。
さらに移住者などに子どもが生まれれば、子どもたちはやがて新しい働き手として、その土地を支えていきますよね。つまり、サテライトオフィスが地方創生の足がかりとなるのです。
サテライトオフィスってメリットはある?
もし私たちがサテライトオフィスで働いたとして、メリットはあるのでしょうか。
Aさん:20代独身、キャリアアップを目指してセミナーに通う
Bさん:30代既婚、3歳の子どもがいる
2つの例から、どんな生活になるか考えてみましょう。
1.時間の有効活用とワークライフバランスを実現
通勤含む移動時間や通勤のための準備時間を減らせるため、時間を有効活用できます。
Aさんの場合、浮いてできた時間をセミナーや自学に使えますよね。Bさんの場合、子どもとゆっくり過ごす時間が増えるでしょう。
介護や育児、家族と過ごす、プライベートなど仕事以外の「その人にとって大切な時間」はさまざま。そうした事柄に時間を使えるようになり、ワークライフバランス実現につながるのです。
2.災害時でも安心が増える
別のオフィスで仕事をするため、会社のある地域に大きな災害があっても出勤できます。AさんもBさんも、サテライトオフィスに出勤すれば仕事を進められるでしょう。
さらに、サテライトオフィスから会社と連絡を取って安否確認をしたり、サテライトオフィスに来ていた人と交流して災害の不安を落ち着かせたりと、できる事柄が増えると考えられますね。
本当に良いことばかり?サテライトオフィスに課題はないの?
サテライトオフィスは本当にメリットばかりなのでしょうか?残念ながらサテライトオフィスにも課題はあるのです。
1.コミュニケーションの問題
対面でのコミュニケーションが減るため、これまでより丁寧にコミュニケーションをしないと、心の機微がうまく伝わらず報連相などがうまくいかないことも。
とはいえ今は、グループウェアといった情報共有やコミュニケーションがリアルタイムにできるツールが普及していますから、それほど不安はないと考えられるでしょう。
2.セキュリティの問題
他社と共同の場合、「他社と共同で使うサテライトオフィス」でも解説した通り、情報漏洩などセキュリティにより一層気を付けなくてはなりません。自社型の場合、他社に内容を聞かれるといった可能性は減りますが、それでも端末やUSBを紛失してしまえば大変です!
3.自己管理の問題
サテライトオフィスでは、自己管理のもと仕事を進めるため、慣れていない場合、自己管理がともなわず仕事が進まないことも。
とはいえ在宅勤務と異なり他の人が働いている施設で仕事を進めるため、少しの緊張感は伴います。その点から見ると、自己管理の不安は少ないといえますね。
4.評価の問題
上司は本社、部下はサテライトオフィスといった状況の場合、どのように働いているか上司から見えなくなるため、評価や管理がうまくできなくなる可能性があるのです。
- どのような点を評価基準とするか
- どうやって労働時間や働き方を管理するか
このようなことを会社は考えなくてはなりません。
増えて欲しい!サテライトオフィスの建設
サテライトオフィスで働ければ、メリットは増えるでしょう。しかし、サテライトオフィスを備えている企業はまだ少ないのも事実……。ライフイベントの多い女性のためにも、一刻も早くサテライトオフィス建設が進むとよいですね。