ロールモデルという言葉を耳にしたときはありますか?ロールモデルは、言動や思考のお手本となる人物などを指します。つまり、ロールモデルを設定すると、あなたの目標達成や成功が早まるかもしれません。
ここではそんなロールモデルについて、基礎知識から実践まで、さまざまな視点から解説します!
- ロールモデルを活用する=すでに成功している人をお手本にして進めるため、自己流よりも早く成功に近づく
- ロールモデルを選ぶ際の注意点は、「複数から選ぶ」「人じゃなくてもいい」
- ロールモデルの活用する際のステップは「ロールモデルに求める要素の設定」「ロールモデルを見つける」「ロールモデルがどんな特性を持っているか洗い出す」「ロールモデルの特性を真似する」の4つ
Contents
【基礎知識①】まず、ロールモデルについて知ろう!
まず、ロールモデルそのものについて学びましょう!
そもそもロールモデルって何?
ロールモデルは、言動や思考のお手本となる人物などを指します。憧れを抱いた人物などをロールモデル=お手本に設定して、成長や目標達成に向けて進めていきます。
ロールモデルの存在から得られる効果は?
たとえばあなたに「目標」や「こうなりたいという姿」があったとしましょう。
しかしお手本なしでは、
- ここはどうしているのだろう?
- こういうとき、何をしたらいいかわからない
なんて状況にも陥りやすいです。
書道を思い出してみてください。 お手本を見ながらですと、どこをどのように書けばいいか視覚的に理解しながら進められますよね。しかしお手本なしでは、全体のバランスが取れなかったり適切な形にならなかったりする場合も。
ロールモデルはこれと似ています。すでに成功している人をお手本にして進めるので、自己流よりも早く成功に近づくのですね。
【基礎知識②】ロールモデルを選ぶ際、どんな点に気をつけたらいいの?
ロールモデルを選ぶ際の注意点を、
- 複数から選ぶ
- 人じゃなくてもいい
2つから見ていきましょう。
複数から選ぶ
すべて完璧な人はいませんし、それぞれ得意不得意は異なります。そこで「さまざまな人の素晴らしい点から学ぶ」という姿勢を持って、複数からロールモデルを選ぶのです。
それだけではありません。
- あの人は誰とでも気さくに話せるなあ
- あの人は人を取りまとめるのが上手
- あの人は仕事と育児をうまく両立させている
このように、人によって自分が「素晴らしい」「学びたい」と感じる点は異なりますよね。頭を柔らかく視点を広く持って、さまざまな人からロールモデルを選びましょう。
人じゃなくてもいい
実は、ロールモデルは人以外でもよいのです。たとえば、テレビやネットなどで「このお店や企業の取り組みは素晴らしい!」と感じたとします。その場合、そのお店や企業をロールモデルにしてもよいのです。
【実践の方法】ロールモデルを活用してみよう!
それでは、ロールモデルの設定から活用までのステップを、
1.仕事と育児の両立
2.キャリアアップ
を例に見ていきましょう。
ロールモデルに求める要素の設定
まず、どんな要素をロールモデルに求めるのかを考えます。その際、できるだけ具体的に考えましょう。それにより求める要素が明確になって、ロールモデルを探したり真似して取り組んだりする際、スムーズになります。
仕事と育児の両立の場合
- 社内に子連れ出勤を可能とする制度があるので、すでに制度を利用している人を参考にしたい
- 子どもを幼稚園など施設に預けながら働いている人が、預けるときや迎えを含めてどう時間を使っているか参考にしたい
- リモートワークを利用して、家で面倒を見ながら働いている人を参考にしたい
一口に「仕事と育児を両立」といってもさまざまなパターンがありますよね。自分がどういった要素を参考にしたいのか、細かく設定していきましょう。
キャリアアップの場合
こちらも「仕事と育児の両立」同様、参考にしたい要素を考えていきます。
- まだ入社数年程度だから、さまざまな仕事を経験してチャレンジしている人を参考にしたい
- 中堅程度の立場になってきたので、社内の制度を活用しながら出世やスキルアップに向けてキャリアを積み重ねている人を参考にしたい
- 管理職を目指したいから、リーダーシップやマネジメントのスキルを身に付けていたり活用していたりする人を参考にしたい
- 専門性を高めたいので、セミナーや研修、e-ラーニングで学びを深めたり専門的な業務に携わっていたりする人を参考にしたい
ロールモデルを探す
次に、ロールモデルを探しましょう。その際、設定に近しいだけでなく、下記の要素を満たす人などをできるだけ探してみてください。
- 自分が望むスタイルを現在進行形で実践している人
- レベルの高い思考を持っている人
- 言動がしっかりしている人
それにより、学べる点がぐっと増えます。
仕事と育児の両立でロールモデルを探す際のポイント
できれば自分の働き方と同じ人から探してみてください。
- 正規社員
- 短時間勤務
- フリーランスや自営業
- 契約社員や派遣など雇用の期間がある程度決まっている働き方
「仕事と育児を両立」と目的がはっきりしていますよね。つまり自分の働き方と近い人のほうが、目指すワークライフバランスの方向性や時間の使い方などで参考にできる部分が多いと考えられるのです。
キャリアアップでロールモデルを探す際のポイント
キャリアアップの場合、お店や企業も視野に入れて探しましょう。なぜなら、お店や企業は経営組織のため、方針や進め方、対処など参考にできる点が多くあるからです。
ロールモデルがどんな特性を持っているか洗い出す
今度は、ロールモデルの思考や言動をじっくり観察し、どんなコンピテンシーを持っているか洗い出します。コンピテンシーとは、高いレベルで物事を成し遂げている人が持つ行動特性です。
ロールモデルが持つコンピテンシーを、書き出すなどで見える化していくと、
- ロールモデルは、こんな特性によって自分の望むスタイルを体現している
- 自分はどんな点を真似していけばよいのか
- どのように物事を捉えたり考えたりしていけばよいのか
- 自分との差は何か、何をすればその差が埋まっていくのか
掴みやすくなります。
仕事と育児の両立におけるコンピテンシー
- 慌ただしくても一定の睡眠時間は確保している
- 家事代行を利用して、料理や掃除の負担を減らしている
- 迎え、洗濯、料理など家事を夫婦で分担してやりくりしている
などがあるでしょう。
キャリアアップにおけるコンピテンシー
- 集中力が高い
- オンオフのメリハリがしっかりしている
- 時間を効率よく使って、ムダな残業をせずに成果を出しながら、学習の時間を生み出している
- 社内のカフェスペースでさまざまな人と話し、見聞を広げている
などが考えられますね。
ロールモデルの特性を真似する
コンピテンシーが見つかったら、早速取り込んでいきましょう。その際重要となるのは、「なぜそうしているか」を考え、「そうするとどうなるか」という仮説を立てていくという思考です。
何も考えずに真似だけしていてもなかなか上達しません。行動には原理があり、それを理解しようと進めていって初めて、ロールモデルをお手本とした目標達成や成長につながっていくのです。
またできるだけ、PDCAサイクルを回しましょう。
- P(計画を立てる) 最終的になりたい自分の状態と目標を決める
- D(実行) 計画をもとに取り組みを進めていく
- C(確認) どのくらいできているか、分かった内容は何か、行き詰まっている箇所はどこかなどを確認する
- A(改善) 見えた改善点や次のフェーズで試したい点に取り組む
求められる女性のロールモデル
最後に、ある調査結果をご紹介しましょう。
アデコが2019年に実施した「女性管理職550名を対象にした調査」によると、キャリアに関するロールモデルがいなかったと回答したのは「57.8%」。また、メンターについての回答を見ると、管理職(課長相当以上)になる前も今もいないと答えたのは「78.7%」でした。
「管理職」を対象とした調査ですから、ある種特別なものと感じるかもしれません。しかし捉え方を変えると、「ステージが変わるにもかかわらず、ロールモデルやメンターが存在しなかった」という事実が、この調査から読み取れるのです。
またロールモデルやメンターがいないため、「どうしたらいいのか」といった悩みや不安を抱えた人も多いと考えられます。
これからさらに、女性のライフスタイルは多様化するでしょう。さまざまな女性が力を発揮し、毎日を素敵なものにするためにも、女性のロールモデルがまだまだ求められているのです。
出典元:女性管理職550名を対象にした調査|アデコ
https://www.adeccogroup.jp/pressroom/2019/0221
ロールモデルを活用して素敵な女性に!
あなたは今、何か目標やなりたい姿があるでしょうか。もしあったら、ロールモデルという言葉を思い出し、できる限り活用に向けて動いてみてください。目標やなりたい姿に近づき、より素敵な女性へと変わっていくでしょう。