くるみんマーク、そしてプラチナくるみんマークについて知っていますか?
2つとも、子育てと仕事を両立したい女性に知っておいてほしいものです。
くるみんマークとプラチナくるみんマーク、それぞれを取得するにはどんな基準を満たせばよいのか、マークを持つ企業で働くメリットや注意点、マークを取得した企業の事例などについてご紹介しましょう。
- 社員の子育てをサポートしている企業に与えられるものが「くるみんマーク」
- マークの認定基準は厳しいので、取得企業で働くとメリットが多い
- サントリーやJR東日本などの企業がマークを取得している
Contents
くるみんマークってそもそも何のこと?

くるみんマークとは、社員の子育てをよくサポートしている企業に与えられるマークのこと。平成17年4月から始まりました。当初制度は平成26年度末までと決まっていたのですが、平成37年3月末まで延長されたのです。
制度の認定を受けるとくるみん認定とされ、マークとしてくるみんマークが企業に与えられます。また、くるみんマークの上位にプラチナくるみんマークがあるのです。
くるみんマーク、プラチナくるみんマーク、ともに認定基準は厳しい!
女性と男性、育児を行うすべての人に配慮している企業だと内外に証明するのがくるみんマーク、プラチナくるみんマーク。しかし2つともに厳しい認定基準を持つのも事実なのです。一体どのような内容なのでしょうか。
くるみんマークの認定基準は?
くるみんマークの認定基準は10個あります。その中から一部を抜粋してお伝えしましょう。
保育施設の設置や働く時間の変更
社員に3歳から小学校に入る前までの子どもを育てている人がいる場合、保育施設の設置や始業や終業時刻の変更などを行う必要があります。
女性社員の育児休業取得率
認定を受けるための取り組み期間中(2年以上5年以下)、女性社員の育児休業等取得率が75%以上でなくてはなりません。
男性社員における育児休業や育児休暇の取得率
・育児休業などを取得した男性社員の割合が7%以上
・育児休暇もしくは育児休業などを取得した男性社員の割合が合わせて15%以上のうえ、育児休業を取得した人が1人以上存在
どちらかを満たす必要があります。
行動計画と目標達成
認定を受けるための行動計画をつくらなくてはいけません。計画期間は、2年以上5年以下と決められており、計画には目標の設定と達成、2つが必要です。さらに、目標達成を示す資料などをつくり、認定のために証明する必要があります。
目標の設定とさまざまな措置
定められた項目に対して目標を決め、さまざまな措置を取らなくてはなりません。
措置には、
・ノー残業デー
・在宅勤務制度
・テレワーク制度
などの導入があります。
プラチナくるみんマークの認定基準は?
プラチナくるみんマークの認定基準は12個です。こちらも抜粋してお伝えしますね。
女性社員の育児休業取得率
・出産した女性社員のうち、子どもが1歳の誕生日になるまで在籍している人の割合が90%以上
・出産予定もしくは出産したが退職した女性社員を合わせた際、子どもが1歳の誕生日を迎えるまで在籍している人の割合が55%以上
どちらかを満たす必要があるのです。くるみんマークとほぼ一緒に見えますが、よく見ると、求められる割合が高くなっていることが分かりますね。
男性社員の育児休業や育児休暇の取得率
・13%以上の男性社員が育児休業などを取得している
・育児休暇や育児休業などを取得した男性社員の割合が30%以上のうえ、育児休業を取得した人が1人以上存在
どちらかを満たさなくてはなりません。こちらも条件はくるみんマークよりも厳しくなっています。
スキルやキャリアへの取り組み
スキルアップやキャリア形成に関する取り組みを計画に盛り込んで、実施しなくてはなりません。
取り組みとはたとえば下記のようなもの。
・出産や育児をしながらでも働けるイメージをつくるため、若手女性社員に研修を実施
・女性社員とロールモデルを引き合わせ、困りごとを解決できるメンターとする制度
・女性社員向けに管理職研修などを実施
くるみんマーク、プラチナくるみんマークを取得した企業で働くメリット

くるみんマークもプラチナくるみんマークも、企業が厳しい認定基準をクリアした証。だからこそ、そういった企業で働くとメリットが多く得られるのですね。
働く時間が調整できる
子育てでは、保育施設への送迎え、子どもが急に熱を出すなどがあり、働く時間との兼ね合いが難しくなる場合がありますよね。
しかし前述の通り、マークを取得するには、始業時間を遅くする、終業時間を早める、労働時間を短くするといった労働時間に関する措置が求められるのです。これにより、働く時間に関して、柔軟に対応してもらえる可能性が高まるでしょう。
子育てに理解のある風土
マークを取得するため、子育てをサポートする制度が盛り込まれますが、それだけではありません。その過程で、子育てに理解のある風土もできていきます。困ったとき、周囲に相談しやすくなりますね。
男性だって嬉しい
男性の育休に関しても取り決められているため安心です。夫婦同じ企業で働いていた場合、ともに子育てしやすくなるでしょう。
スキルやキャリアを諦めなくていい!
プラチナくるみんマークに限りますが、スキルアップやキャリアアップについての取り組みも重要視されています。出産や育児との兼ね合いから諦めてしまっても、スキルやキャリアについて取り組める場合が多いのです。
マークがあっても要注意?
中には、制度が形だけになっている場合もあるそうです。
くるみんマークやプラチナくるみんマークを取得している企業でも
・本当はどうなのか実際に働いている人に聞いてみる
・転職サイトの口コミを見る
などで、「実態はどうなのか」調べてみるとよいでしょう。
くるみんマーク、プラチナくるみんマークを取得した企業は?

最後に、くるみんマークやプラチナくるみんマークを取得した企業の事例をご紹介します。
サントリー:2018年の育児休暇取得率は女性で100%!
サントリーは、2008年にくるみんマークを取得。2019年現在はプラチナくるみんマークを取得しています。
2018年の育児休職取得率を見ると何と女性が100%男性が49%と高い数値になっているのです。2011年には「ウェルカム・ベビー・ケア・リーブ」という育児による休暇の一部を有休とする制度も設立されました。
JR東日本:保育所や24時間保育日など「保育」面が充実!
JR東日本はくるみんマークを、2008年11月、2012年8月、2018年1月の3回取得しています。2012年には「ワーク・ライフ・バランス大賞」優秀賞も受賞しました。
同社では、全国9カ所に事業所内保育所を設置しています。また交代勤務があるため、子どもを預けたい時間が人によってバラバラになってしまうそうですが、それに対応できるよう、24時間保育日も設けているそうです。さらに、洗濯代行やミルクのサービスなども。
味の素AGF:休み方や働き方などさまざまな支援を実施
味の素AGFは、2017年12月にプラチナくるみん認定を受け、プラチナくるみんマークを取得しました。
休み方や働き方などに関して、
・2016年度には子ども休暇や月5日までの在宅勤務を導入
・営業職向けにモバイル勤務
・全国にあるサテライトオフィスを利用した勤務
・育児や介護など特定の理由がある場合、働く場所を限定できる地域勤務
・1年のうち最大20回まで利用できる半日年休制度
など多彩な制度を設け、社員を支援しているのです。
任天堂:育児休業復職率は100%!
任天堂はくるみんマークを2回取得しています。2018年度の育児休業利用者数を見ると、女性が54人、男性が37人。育児休業復職率は何と100%です。
制度として用意されているのは、
・子どもが小学校3年を終えるまで、1日当たり2時間まで働く時間を短くできる制度(一般職正社員の場合6年生まで)
・子どもが満2歳まで使える育児休業(一般職正社員の場合満3歳)
など。
その他、女性の健康についても配慮しています。病院と契約し、婦人科検診を優待価格で受けられるように整えているのです。
子育てと仕事を両立したいあなたに!

子育てと仕事を両立したいなら、くるみんマーク、プラチナくるみんマークの存在と意味を知っておきましょう。働く先を探す際などさまざまな状況であなたの役に立ちます。