みなさんは自分の強みや弱み、しっかりと理解していますか?強みは自分だけの武器にでき、弱みは改善したり強みに転換したりして役立てていけます。そう分かっていても、慌ただしい現代、調べる時間の確保など難しい点も多いですよね。
SWOT分析は、そんな強みや弱みを、周囲の環境や流れとともに洗い出します。自己分析や戦略の立案など、あなたの今後に活用してみませんか?
- SWOT分析で「強み、弱み、機会、脅威」を見つけて分析すれば今後に役立つ
- SWOT分析の流れは「目的の設定」「要素の書き出し」「SWOTに分類」「それぞれを掛け合わせて分析」
- SWOT分析は、多くの状況で活用できる
Contents
SWOT分析って何?
SWOT分析とは、「強み、弱み、機会、脅威」4つを洗い出し、それぞれを掛け合わせて分析していくフレームワークです。
もっとわかりやすくいうと、
- 内部要因として、自分が今持つ強みや弱みを見つける
- 外部要因として、環境や流れにあるチャンスやリスクを理解する
- それぞれから、今後何をすればいいかを明確にする
というものです。
【キャリアアップと就職・転職の事例つき】SWOT分析をしてみよう!
では、例をもとにSWOT分析をしていきましょう。
目的の設定
まず目的を明確にします。「自分は何のためにSWOT分析をするのかな」目的を、ノートに書き出すなどでまとめましょう。
- 自己を知って先に活かすキャリアアップの場合 :「自分で把握していない要素を見つけて、今後の戦略を立てる」
- 就職・転職の場合:「希望の就職・転職を実現するため、内部要因と外部要因を見える化する」
SWOTと感じられる要素を書き出す
次に、SWOTと感じられる要素を書き出します。とはいえ、書き出しながら分類しようとすると混乱しがち。ここでは、「要素を書き出す」に集中しましょう。
もし、要素が浮かばないときは、下記の方法を試すとよいですよ。
- 4つに該当しそうなものを思いつく限り書き出す
- 好きや嫌い、得意や苦手といった方向から考えてみる
- 周囲に聞いてみる
- 特徴的なエピソード、たとえば成功や失敗の体験を思い出し、そこから要素を拾い出す
事例①自己を知って先に活かすキャリアアップの場合
「同じ職種を数年続けているし、自分からいろいろ勉強もしている。とはいえ飽きっぽい部分もあるし、 持病があるから健康への不安も……。そういえば最近、人生100年時代や女性活躍、AIの台頭なんて話を聴いたっけ……。」
事例②就職・転職の場合
「会社でジョブローテーションを経験したから、いろいろな職種に理解はあるかな。ただ、専門性について聞かれると答えづらいから、成果主義の会社だと厳しいかも。もしかしたら場合によって実務経験の年数が必要かもしれないし……。」
③書き出した要素をSWOTに分類してまとめる
書き出した要素を、SWOTに分類します。SWOTは前述の通り、「強み、弱み、機会、脅威」の4つですが、これだけでは分かりにくいので、もう少しかみ砕いてみましょう。
強み
・スキルや知識、思考や習慣などのうち、目標達成に活用できると感じる事柄
弱み
・失敗した際、「失敗を導いた」と考えられる事柄
・スキルや知識、思考や習慣などのうち、目標達成を遠ざけると感じる事柄
機会
・法制度や流行など環境要因のうち、自分に役立つ、自分を助けてくれる事柄
・今後を見越した際、自分に役立つ、自分を助けてくれるであろう事柄
脅威
・法制度や流行など環境要因のうち、負担やリスクを招く可能性が高い事柄
・今後、負担やリスクを招くと推測される事柄
そしてSWOTを踏まえて、それぞれの事例から考えると下記のようになるのですね。
事例①自己を知って先に活かすキャリアアップの場合
- 強み:同じ職種を数年続けているため専門性があるといえる、自発的な学習習慣
- 弱み:飽きっぽい、 持病がある
- 機会:人生100年時代やSDGs(持続可能な開発目標)における働きがいなど「働き続けるための後押し」
- 脅威:AIの台頭によって仕事が減る可能性
事例②就職・転職の場合
- 強み:さまざまな職種を経験したため視野が広い
- 弱み:専門性を問われると自信がない
- 機会:年功序列主義から成果主義に変わりつつある流れ
- 脅威:実務経験の年数が必要だと難しいかも
④SWOTを掛け合わせて分析
SWOTが分かったら、今度はそれらを掛け合わせて分析しましょう。
①強み × 機会
自己の持つ強みと機会を掛け合わせて、「チャンスが来た際、何をすればいいか」「チャンスをつくるための事前行動は何か」「あなただけの独自性」などを見出します。
事例①自己を知って先に活かすキャリアアップの場合
この場合の強みと機会。
- 強み:同じ職種を数年続けて専門性を持っている、自発的な学習習慣
- 機会:人生100年時代やSDGs(持続可能な開発目標)における働きがいなど「働き続けるための後押し」
これらを掛け合わせると、 「自発的に動けて専門性もある……それをもとにその道のプロフェッショナルといった方向を目指してみよう。10年いいえその先もずっと働き続けられる」といった形になるでしょう。
事例②就職・転職の場合
この場合の強みと機会。
- 強み:さまざまな職種を経験したため視野が広い
- 機会:年功序列主義から成果主義に変わりつつある流れ
これらを掛け合わせると、「経験した視野の広さを活かしてゼネラリストを目指してみようかな。成果主義の会社なら、頑張った分評価してくれるかもしれない」 といった形になるでしょう。
②強み × 脅威
自己の持つ強みと脅威を掛け合わせて、「脅威を避ける方法」「脅威をチャンスに変えるための視点」などを見出します。
事例①自己を知って先に活かすキャリアアップの場合
この場合の強みと脅威。
- 強み:同じ職種を数年続けているため専門性があるといえる、自発的な学習習慣
- 脅威:AIの台頭によって仕事が減る可能性
これらを掛け合わせると、 「AIの台頭で仕事が減るかもしれないが、専門性と学習習慣をもとにAIに取って変われない方向を見出してみよう」 といった形になるでしょう。
事例②就職・転職の場合
この場合の強みと脅威。
- 強み:さまざまな職種を経験したため視野が広い
- 脅威:実務経験の年数が必要だと難しくなる
これらを掛け合わせると、 「もし、望む会社が実務経験の年数を必要としていたら、職務経験の具体的な内容やポテンシャル、人柄など別の面からアピールしていこう」 といった形になるでしょう。
③弱み × 機会
自己の持つ弱みと機会を掛け合わせて、「弱みとうまく付き合う」「弱みを改善して強みに」などを見出します。
事例①自己を知って先に活かすキャリアアップの場合
この場合の弱みと機会。
- 弱み:飽きっぽい、 持病がある
- 機会:人生100年時代やSDGs(持続可能な開発目標)における働きがいなど「働き続けるための後押し」
これらを掛け合わせると、「今は、人生100年時代やSDGs(持続可能な開発目標)など働くための後押しも増えている。持病があるからと落ち込まず、これからもうまく付き合う方法を医師に相談してみよう。飽きっぽい点は、集中力の向上などで改善していこうかな」 といった形になるでしょう。
事例②就職・転職の場合
この場合の弱みと機会。
- 弱み:専門性を問われると自信がない
- 機会:年功序列主義から成果主義に変動している流れ
これらを掛け合わせると、 「希望する会社が成果主義の場合、専門性がないと厳しそう。でも、自信がないため“私には専門性がない”と思い込んでいるのかも。まず見直してみようか」 といった形になるでしょう。
④弱み × 脅威
自己の持つ弱みと脅威を掛け合わせて、「リスクマネジメント」「リスクにとどまらず問題に発展したら何をするか」などを見出します。
事例①自己を知って先に活かすキャリアアップの場合
この場合の弱みと脅威。
- 弱み:飽きっぽい、 持病がある
- 脅威:AIの台頭によって仕事が減る可能性
これらを掛け合わせると、 「AIの台頭で仕事が減るかもしれないけど、飽きっぽさを活かして視点を広く持てば、別にできる仕事や伸ばせる部分が見つかるかも。そうだ!今のうちにいろいろ調べておこう」 といった形になるでしょう。
事例②就職・転職の場合
この場合の弱みと脅威。
- 弱み:専門性を問われると自信がない
- 脅威:実務経験の年数が必要だと難しくなる
これらを掛け合わせると、 「専門性・実務経験の年数を重視している会社は諦める方向で考えよう。一応トライはするけど厳しくても落ち込まない!」 といった形になるでしょう。
SWOT分析はどんな状況でも活用できる
SWOT分析は、特定の状況だけでなくどんな状況でも活用できます。事例では、キャリアアップや就職・転職を取り上げましたが、状況は人によってさまざまですよね。
そう、SWOT分析では、育児や介護、趣味との両立、今後の生き方などいろいろな状況を分析できるのです。一度、試してみてはいかがでしょう。あなたがもっと輝くきっかけになるかもしれませんよ。