転職を考えるにあたり、まずはじめの活動として転職サイトへの登録をする方は多いものです。サイトによっては《転職エージェント》の利用が案内されることもあるでしょう。実はこの転職エージェント、利用した方がいい人と、そうでない人がいるのです。それはどんな違いでしょうか?
この記事では、そもそも転職エージェントは何をしてくれるのか、転職エージェントを利用した転職活動には一体どんなメリットがあるのか、またどうやって選べばいいのかなどについて解説していきます!
- 転職エージェントは、転職の工程を一挙に引き受けてくれる業者
- 転職活動の全ての工程に携わりたいなら、エージェントは利用しない
- 人間どうしの「信頼関係」が築けるエージェントを探そう!
Contents
そもそも「転職エージェント」は何をしてくれるの?
そもそも転職エージェントは、あなたに対して何をしてくれるのでしょうか?
ざっくりまとめると、
- カウンセリングであなたの志向性や希望、経験の整理をしてくれる
- あなたの希望に合いそうな企業を探してくれる
- 応募に必要な職務経歴書・履歴書の添削
※アドバイスももらえるので、より応募先人事の心に響きやすい書類を作ることができます - 求人への応募
- 応募先企業に合わせた面接対策の実施
- 応募した求人の結果回収
- 面接日程調整
- 聞きにくい質問をあなたに代わってしてくれる(残業はあるのか、離職率はどれくらいなのか、女性の活躍はどれくらい進んでいるのか等)
- あなたにかわって処遇の交渉をしてくれる
などなど、多岐に渡る転職の工程を一手に引き受けてくれるのです。一言でまとめるならばあなたの代わりに面接以外ほぼすべてやってくれる、頼れるパートナーといえるでしょう。
そんな転職エージェントの一番の強みは、転職エージェントを介してでないと紹介されないトクベツな求人を持っている事。一般的に「非公開求人」と呼ばれているこの求人は、転職サイトに掲載すると応募者が殺到してしまうため「限られた方に絞って紹介をする」ようにしているのです。このようなトクベツな非公開求人も、転職エージェントに紹介してもらえる可能性があります。
あなたは使ってはいけない!?
「転職エージェント」を利用した方がいい人、そうでない人
メリットがたくさんの転職エージェントですが、実は、利用した方が良い人と、利用しなくても転職できる人・また利用しない方が良い人がいるのです!それは、どんな人なのでしょうか。
ちょっと待った!エージェントを使わなくても転職成功率が高い人
転職エージェントを使うことで、時間や手間をかけずに転職活動を進めることができますが、人脈が豊富で、企業の人事や採用決裁権のある方と直接的にやりとりができるような方はエージェントを使わず、ご自身で転職活動を行う方が効率的なこともあります。
コネクションがあるなら、お互いのパーソナリティや仕事についてはある程度理解があるので、採用する企業側としても、全くの他人を採用するよりはリスクが低いと考えることも多いのです。
家族の伝手や知人友人の伝手で転職活動を進めることができる方は、転職エージェントを使わなくても転職成功率は高いといえます。自力で転職活動できるスキルやコネクションを持っている人にとっては、転職エージェントを使うことで余計に時間がかかったり、費用を無駄にしてしまう場合もあるということを覚えておきましょう!
エージェントの利用をおススメしない人
「転職のすべての工程を自分自身で進めたい、すべての状態を把握したい!」という方には、転職エージェントの利用をおすすめしません。例えば、エージェントと共に転職活動を進めていく際、面接の不合格理由について、かなりオブラートに包んで言われることもあります。企業からの辛辣なフィードバックを応募者にそのまま伝えると、クライアント(利用者)の意欲を削いでしまうことになりかねないため、エージェントはそれなりに気を使って不合格理由を伝えることが多いのです。
ただ、不合格理由には、あなたの今後の転職活動をより良くするためのヒントが隠されていることもあります。不合格理由をエージェントを通さず自分自身でしっかりと受け止めたい!企業とは直接やりとりをしたい!と思う方は、転職エージェントを利用せず、自分自身で活動を進めても良いかもしれません。
自力で行う転職活動は工程が多く、手間もかかります。しかし、すべてを自分自身の目で見て活動を進めることは経験となり、いざ就職してからの強みとなることもあるでしょう。
エージェントの助けを借りて、効率よく転職すべき人
現職中の方やプライベートが多忙な人ほど、転職エージェントの助けを借りることをおすすめします。面接日程の調整や企業とのやりとりは、非常に手間のかかる行程です。エージェントにお願いすれば、この手間を省くことができます。求人情報もエージェントが集めてくれるので、あらゆる企業サイトを見たり、求人を調べたり、比較したりする時間がカットできます。
また、転職するのが初めての人にも転職エージェントの利用がおすすめできます。なぜなら、新卒採用と中途採用とでは企業の採用スタンスそのものが異なるためです。
新卒採用時はポテンシャルが高く評価されるので、いかにやる気をアピールできるかが重要です。一方、中途採用では経験をいかに新しい企業で活かせるかをアピールすることが重要になってきます。また、新卒採用の時は使わなかった「職務経歴書」も必要になります。
このように、中途採用と新卒採用とでは、スタンス、活動方法が異なるため、プロであるエージェントの利用がおすすめできるのです。
さらに、異業種への転職を希望する人にも転職エージェントはおすすめです。異業種への転職の際は、はじめに希望の業種についての情報を仕入れることが必要不可欠。エージェントをパートナーとするなら、異業種ではどんなスキルが求められるのか、どのようなキャリアアップが臨めるのかなど、膨大な過去のデータからイメージの持てる話をしてくれます。
転職活動の際には、あなたの今の経験を「異業種でも通用するものだ」とアピールする必要があります。しかし個人での転職活動では、主張すれば強みになるはずのスキルを見逃したり、うまくPRできないこともあるでしょう。エージェントは、あなたのどんな経験をアピールすればよいかといったアドバイスをしてくれます。職務経歴書・履歴書の添削もしてくれるので、PRをより有効にする手助けも得られるでしょう。
転職エージェントを検討するときに役立つ「5つ」のポイント
あなたは転職エージェントを利用した方が良いパターンでしたか?ここからは、数多くの転職エージェントの中から、あなたにぴったりのエージェントを見つけるためのポイントをご紹介します。
①転職エージェントは複数使うべき?
答えはズバリ”YES”です。あなたがお付き合いするエージェントが、100%あなたに合った求人を紹介してくれるとは限りません。また、転職相談をする上で、どうしても転職エージェントの主観が入ってしまうこともあります。複数のエージェントを利用することで、あなたがチャレンジできる求人に漏れがないか、転職の進め方・考え方に間違いはないかを確認しながら、効率よく進めることができるでしょう。
②転職エージェントの利用数は多ければ多いほどいいの?
答えは”NO”です。エージェントを数社利用することは有効ですが、転職エージェントの利用数をいたずらに増やしてしまうと、あなたのエージェントとのやりとりや調整に手間がかかってしまいます。刻一刻と変わる転職状況を、すべてのエージェントに伝えるのも、余計な手間になってしまいます。エージェントの利用数は2~3件程度にとどめると良いでしょう。
③転職エージェントの”人となり”をチェック!
エージェントも一人の人間。お話の仕方やサポートの仕方、雰囲気には、その人の個性がでてくるものです。できればエージェントとは直接話をして、相手の人となりを確認してみましょう。誠意を持って対応してくれるエージェントとして本当に信頼できる人か、自分自身が悩みや不安を打ち明けられそうな相手なのかを確認します。事務的な作業だけを期待せず、円滑に活動を進められる”人間性”を求めることは、効率的な転職活動において重要な要素と言えるでしょう。
④「耳が痛い」ことも誠実に伝えてくれるエージェントか
転職活動は、将来につながる重要なものです。ポジティブな情報だけでなく、転職活動をするうえでマイナスの情報も伝えてくれるエージェントなのかを確認しましょう。あなたが言うことすべてに肯定しかしてくれないエージェントは信用なりません。あなたにとって耳の痛いこともきちんといってくれる方こそ、本当に良いエージェントと言っても良いでしょう。
⑤その転職エージェントの強みはどこかを確認しましょう
女性の転職支援や第二新卒支援、各業界別の支援や異業種への転職のサポートなどなど、転職エージェントによって「強み」があります。例えば、先述の「異業種への転職」であれば《業界特化型エージェント》を、女性としてのキャリアイベントも視野に入れた転職であれば女性の転職支援に長けたエージェントの利用がおすすめです。あなたのニーズに合った特色を持つエージェントを見極めることも大切です。
まとめ
転職エージェントの利用にはメリットがたくさんあります。賢く利用することで、あなたの転職活動をスムーズに進めることができるでしょう。
転職エージェントは無料で使えることがほとんどなので気軽に利用しがちですが、エージェントも人間です。報告・連絡・相談が滞ると、信頼感が崩れていきます。エージェントは信頼できる方を企業に紹介したいと考えているため、信頼関係を崩す行為をしてしまうと、その後はなかなか良い求人をサポートしてもらえない事もあります。各連絡はこまめに行うようにしましょう。たとえ他社エージェントからの応募企業だったとしても、進捗状況を細かく伝えておくのがベター。エージェントとしては「自分の紹介の企業で決めてほしい!」という想いがあるので、他社より良い条件になるように交渉してくれたり、面接回数を調整してくれたりと、あなたにとって有利に動いてくれることがあります。
お互いに信頼しあい、転職に関することであればなんでも話せるような関係が、転職成功のキーになるのです。