女性の仕事で人気の美容師。美容師が働く代表的な場所である美容院は、男女問わず利用するものであり、その需要はなくなることはないでしょう。
そして、美容師の仕事は髪を切るだけではなく、お客様をキレイにするためにその仕事内容は多種多様になっています。
たとえば、この記事をご覧の皆さんは、こんなことを考えているかもしれませんね。
- 美容師と理容師の違いって結局何?
- 美容師として働くときのメリットや大変なことは何?
- 美容師って何歳ぐらいまで働けるの?
そこで今回は、そんな疑問や不安を解消するべく、美容師の仕事の種類や大変なこと・メリットについて解説していきます!
詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね!
- 美容師はお客様に美を提供する仕事
- 美容師は体力的に大変
- 働き方は自分次第
Contents
美容師と理容師の違いって何?
意外とその境目がわかりづらい美容師と理容師。
もちろん、どちらも国家資格を必要とする職業で髪の毛に関わる仕事なのですが、その違いは明確に分からない方もいるのではないでしょうか。
また近年では美容師だけではなく、女性の理容師も増えています。
そこで、ここからは美容師と理容師の違いをいくつかの視点から見ていきます。
美容師と理容師の仕事の違い
理容師の仕事は「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること」と理容師法で定められています。
一方の美容師は「パーマネントウェーブ、結髪、化粧などの方法により、容姿を美しくすること」と美容師法で定められています。
つまり、ヘアカットは美容師と理容師どちらも行うのですが、その目的が異なるといったイメージですね。
もう少しいえば、理容師はお客様をさっぱりさせること、美容師は美しくすることが目的と言えるでしょう。
美容師は着付けを行いますが、顔剃りは理容師しか行わないといったように、仕事の内容には違いがあるようです。
美容師と理容師の国家試験の違い
美容師や理容師になるには、厚生労働省が指定した養成施設を卒業し、国家試験に合格しなくてはいけません。
その合格率は美容師の場合は60から80%で、理容師は50から70%とやや低めの数字となっています。また受験者数は大きな差があります。美容師は1から2万人、理容師は1から2千人となっているのです。
受験科目は筆記と実技があります。
筆記は内容が異なる部分があるものの、どちらも共通して関係法令や美容理論・衛生管理などの内容です。
しかし、実技試験は美容師と理容師で内容が異なっています。
美容師の場合はカッティングの試験に加え、ウェーブをかけるといったようなパーマネントに関わる実技があります。
理容師の場合は、カッティング技術のほか、顔のヒゲや整髪の基礎技術を加えたものが実技試験の内容です。
美容師の仕事内容は?
ここからは、美容師の仕事内容についてもう少し詳しく説明していきます。
先ほどお伝えしたように、美容師の仕事はお客様をキレイにすることで、お客様の「こうなりたい!」を叶える仕事です。
そのためには技術はもちろん、センスも求められます。美容師は技術者としての役割に加えて、アーティストとしての役割も求められるのです。
そんな美容師には「美容院で働く美容師」と「福祉施設で働く美容師」がいます。
次はその2つの美容師について少し深く見ていきましょう。
美容院で働く
美容院で働く美容師は、美容院に来店したお客様に対してカットやカラー・パーマなどの施術を行います。
施術メニューは店舗ごとの特徴が大きく反映されるため、その内容はさまざまです。
たとえば、店舗によってはハンドマッサージやヘッドスパ・まつげエクステのような特殊なメニューがある場合も。
加えて、年に一回の成人式の時にはヘアセットから着付けまで美容師は活躍します。着付けの技術があると重宝され、特別手当が出るような美容院もあるようです。
とはいえ、新人の美容師は入店後しばらくは技術を学ぶため、シャンプーが専門。
そこから技術や知識を身につけ、当日はもちろん髪が伸びてもバランスが保てるようなカット技術を身に付けられるようになると一人前の美容師です。
また、従業員が2人以上いる美容院では管理美容師をおく必要があります。
この管理美容師の仕事の内容は、通常の美容師と基本的なものは変わりません。しかし、衛生上の問題が発生したときは速やかに対応します。
ここでいう衛生上の問題とは、美容院内の設備や器具が衛生的かどうか、従業員の健康管理や衛生教育の実施はできているか、などです。
管理美容師になるには美容師免許を受けてから3年以上の経験を必要とし、厚生労働大臣が定める講習会に3日間参加する必要があります。
福祉美容師
福祉美容師とは、介護が必要な人や障害を抱える人の自宅や老人ホームなどの福祉施設に出向いて施術をする美容師です。
現在では高齢化社会が進んでいることから、福祉美容師の需要は多くなっています。
福祉美容師になるには、NPOや厚生労働省認定の協会が発行している「認定福祉美容介護師」や「福祉理美容士」といった資格を取得しなければいけません。
この2つは国家資格ではないものの、それなりに難易度も高く、通常のサロンワークとは別に一定の技術や知識が必要とされています。
美容師のやりがいは何?
ここからは、美容師のやりがいについてお伝えしていきます。
紹介したい美容師のやりがいは以下の4つです。
- お客様からのありがとう
- 人との出会い
- 自分のアイデアを形にできる
- 上限のない技術の向上
ひとつずつ解説していきます。
お客様からのありがとう
お客様の感謝の言葉は、やはり美容師にとって最も嬉しいものです。
もちろん、中には感謝の言葉を直接伝えてくれないお客様もいますが、やはりその笑顔を見ると大きな達成感を得られるのではないでしょうか。
感謝の言葉に加えて、次回以降の指名をもらえる場合もあります。
こうなると自分の技術やサービスを気に入ってもらえたとも言えるので、頑張ろうというモチベーションにも繋がりますよね。
人との出会い
美容師は人との出会いにあふれています。
美容院には毎日たくさんのお客様がいらっしゃるので、普段の生活だけではなかなか出会えないような方への接客をすることもあります。
共通の趣味だったり気があったりと…手を動かしながら、会話を楽しむこともできるでしょう。
髪を切る仕事をしながら、さまざまな方と会話をする。話好きな美容師であれば、この上ない環境なのではないでしょうか。
自分のアイデアを形にできる
美容師はお客様の要望を形に変える仕事です。
その要望の中に自分だけのアイデアを盛り込み、お客様に満足してもらった時はやりがいを感じるでしょう。ただ髪を切るだけではなく、クリエイティブな部分も形にすることもできるのです。
他にも美容師は「技術選手権大会」が行われており、アイデアを形にし技術を競うコンテストにも参加できます。
そういった部分でも自分の持つ表現を形にできるのは、美容師の魅力の1つではないでしょうか。
上限のない技術の向上
美容師の技術には上限がありません。美容業界は常に大きな変化を続けており、日々新しいものが求められています。
たとえば、ヘアスタイルの流行は絶えず変わっていますし、使用する薬剤も新しいものが毎年のように生まれています。
その時々のブームに合わせたヘアアレンジをしたり新製品を使いこなしたりと、常に技術の向上には努めなくてはいけないのです。
それに加え「着付け技能士」の資格を取ってお客様の思い出に大きく関わることもできます。
美容業界に関係した資格は多種多様で、そう考えると常に美容師は技術の向上を追い求めることができる仕事なのかもしれませんよね。
美容師の大変なことは?
そんな魅力がいっぱいの美容師ですがやはり大変なこともあります。
よく言われる美容師の大変なことは以下の4つです。
- お客様とのコミュニケーション
- 体力が必要
- 手荒れ
- 勤務時間が長い
ひとつずつ解説していきます。
お客様とのコミュニケーション
美容師の醍醐味はお客様の美を表現することです。ただし、場合によってはなかなかそれができないことも。
たとえば、写真や雑誌を持ってきて「これと同じ髪型にしてください」と言われることがあります。それが叶えられればいいのですが、お客様の頭の形や顔のパーツ・髪の毛の量や質によって同じにすることが難しいケースもあります。
その場合はやんわりと断り、別の似合う髪型を提案しなくてはいけませんよね。
せっかくの要望を叶えられない辛さもあり、そういった部分をストレスに感じてしまう美容師もいます。
体力勝負
多くのお客様に来店していただいている時は、休憩がほとんどないこともあります。長時間の立ち仕事によって、腰痛になってしまうことも。
立ちっぱなしに加え、腰をかがめることも多いので腰痛に悩む美容師も多いのです。慣れない最初の頃は、1日中立っているだけでも辛いものです。
夕方ぐらいには足がむくんだり痛かったりしてくるので、仕事が終わった後にストレッチを取り入れたり、日々の体力作りは使ってないかもしれません。
手荒れ
美容師は手荒れに悩む方も少なくありません。1日何回もシャンプーするとお湯によって、指先があかぎれになります。
あかぎれになっても薬を塗ったり、バンドエイドを貼ったりにもいかず、ひたすら痛いのを我慢していることも多いようです。
そのほかにも、染髪やパーマで使う薬品によって手荒れが更に酷くなってしまう場合もあります。
施術中は手袋を使うといった対策はありますが、やはり1日何回もしていると指や手への負担は大きくなるでしょう。
この手荒れが原因で、美容師を辞めてしまう方もいるくらいです。
勤務時間が長い
最初の頃の美容師は、勤務時間が長くなってしまいがちです。開店前や開店後にカットの練習をすることも多く、睡眠時間も思うようにとれないことも多々あるようです。
そうなるとやはり疲れやストレスが溜まってしまい、負担となってしまうこともあります。特にアシスタントを卒業するまでは、こういった働き方をすることが多いのです。
また、勤務時間の割に給料が安いことも少なくなく、そういった意味でも心身ともに大変な思いをするかもしれません。
美容師を長く続けるために知っておきたいこと
このように、美容師は勤務時間長く肉体的にもハードです。40歳定年説もあるくらいで、なかなか長く続けることも難しいかもしれません。
さらに女性の場合だと、結婚や出産育児といったライフステージの変化によって続けるか否かの選択を迫られることもあるでしょう。
しかし、それでも魅力的な美容師の仕事を続けたいと思っている方も多いようです。そこでここからは、なるべく美容師を長く続けるために知っておきたいことをお伝えしていきます。
たとえば、パートやアルバイトとして働く時間を短くすることもできますし、個人事業主として働くことも可能です。
このような働き方であれば、なるべく心身の負担を抑え、ライフスタイルに合わせた働き方もできるでしょう。
また、先ほど紹介した「福祉美容師」として働くことも選択肢に入れておきたいところです。福祉美容師であれば、美容院のような忙しさも少ない傾向ですし、夜遅くまで働くといったこともないでしょう。
美容師の資格は、本来年齢を問わずどこでも働けるもの。同時に自分次第で、さまざまな働き方の実現にもつながります。
いろんな事情で美容師をやめることも選択肢の1つですが、自分なりの続き方を探すことも選択肢の1つですよ。
美容師はキャリアチェンジもできる専門職!
このように、美容師はお客様の美を表現する素敵な仕事です。しかし、同時に美容師ならではの大変なことも多くありますよね。
美容師は、技術を必要とされる専門職。
着付けやネイルといったメニューがある美容院も多く、そういった部分ではキャリアチェンジがしやすい仕事とも言えます。
この記事を参考に、美容師を仕事の選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。