終身雇用や年功序列といった見方が崩壊しつつある昨今、スキルアップや収入アップの為に転職することが当たり前になってきています。
「新卒で入社した会社が、自分の思っていた業務と違う」という理由で、1ヵ月~3ヵ月程で退職し、2年目に第2新卒として就活をやり直す人も多くいます。
40代となると一般的に転職は厳しくなるといわれていますが、準備や選ぶ企業、また面接対策などをしっかりすることで、アラフォー転職も不可能ではありません!
今回は、40代からでも転職を成功させるための必要スキル、そして面接への準備について解説します。
▼「30代女性の転職」についての記事はこちら▼
- 40代の転職は経験や知識といった「年の功」を活かせ!
- 資格はなくても大丈夫だけど、持ってた方が有利!
- 40代だからこその自己分析⇒プレゼンが勝負の分かれ目
Contents
40代以上転職の現状とは?
まずは、40代以上の転職について一般的に「難しい」と言われる理由と、40代以上でも転職が不可能ではないといわれている理由の2つについて解説します。
転職の「35歳限界説」は正しいのか?
「転職は35歳まで」という言葉を聞いたことはありませんか?
以前までは終身雇用が当たり前で、転職する人は「何か問題のある人」という世の中の風潮があったから、と推測されます。
しかし、この令和の時代に「35歳限界説」はありません!
しかも、求人票に年齢制限の文言を記載することは平成19年10月から原則禁止となっています。
「新しいことを覚えるには30代前半までが望ましい」という説が、脳科学的に立証されているようです。
しかし、40代以上の転職で求められることは《新しいことを覚える》ことではなく《今までの経験、スキルを発揮し転職先で即戦力として活かせること》です。
これまでの経験を活かすチャンスと考えるなら、年齢を重ねていることこそが強みとなるのです。
40代からの転職は「経験と知識」のマッチングで決まる
結論から言えば、40代以上でも転職は可能です!
企業側は社員の採用にあたって無計画ではなく、欲しい役割・ポジション・スキル毎に採用計画を立てています。
新卒採用や経験・スキルの必要ないポジションであれば、このご時世とはいえ、まだ採用の難易度はそこまで高くありません。
しかし、経験者の採用となれば話しは別で、求人広告や人材紹介でも、経験者を採用するのはかなり難しくなります。
だからこそ、企業が求めている条件と転職希望者の経験や知識がマッチすれば転職は可能であるといえるのです。
ただし、「正社員で採用されるか」どうかは、企業の方針により異なります。”契約社員”や”アルバイト”からの採用も覚悟しておいた方がいいでしょう。
40代からの転職は【資格】が無いと厳しい?
資格なしでも希望はある!
40代からの転職は、たとえ資格がなくても問題はありません。
40代以上の候補者を採用する際に採用担当者が重視するのは「資格を持っているか?」ではなく「その業務でどれくらいの経験があり、さまざまなトラブルに対してどのような解決策をしてきたか?」です。
履歴書や職務経歴書では判別が出来ない経験内容(どのようなトラブルをどのように解決したか)などを、面接で分かりやすく伝えられるとよいでしょう。
40代からの転職のためにオススメの資格は?
資格より経験が重視されるのは事実ですが、もちろん持っていると有利になる資格もあります。
持っていると有利になる代表的な3つの資格と、IT系で重宝される資格について解説します。
これらの資格は持っていなくても転職はできますが持っているとかなり有利です!
- 中小企業診断士
中小企業を対象にした経営コンサルタントとして活動が出来る国家資格です。
新規事業立案や売上アップなどの高い知識と実務能力が必要で、IT系のコンサルタントもシステム提案の際に中小企業診断士の資格を持っていると、提案の説得力が増します。
そのため、実際に資格を取得しているコンサルタントが多いのです。
- 社会保険労務士
企業が人を雇用する上で必要になる「社会保険制度」の知識を保有する、人事・総務のスペシャリストです。
雇用契約書の作成や労働争議など、働く上でのトラブルに対処したり、それを予防する為の高い知識を保有している証明となる国家資格です。就業規則の作成・届け出や、雇用関係の助成金の申請なども社労士の独占業務となります。
昨今、働き方改革を政府主導で進めている中で、もっとも注目度の高い国家資格といえます。
- ファイナンシャルプランナー
家族構成や家庭の収入・支出、資産などの情報をヒアリングし、最適な資産計画を立てて資産形成を図るためのアドバイスをする業種の資格です。
ファイナンシャルプランナーには国家資格と民間資格があり「1級~3級のFP技能士」が国家資格、それ以外は民間の資格です。
- IT系ベンダー資格
LPIC(サーバー系資格)やCCNA(ネットワーク系資格)など、外資系の機器ベンダーが主催しているIT系ベンダー資格です。
システムエンジニア職であれば、資格を保有している方が有利です。面接官が候補者に対して「最低限このレベルの知識がある」という判断材料になるからです。
さぁ始めよう!【40代以上向け】転職の準備
40代以上で転職を考えている方は、今すぐに準備・行動を始めましょう!
転職は一般的に、転職活動開始から内定まで約3ヵ月程かかると言われていますが、40代以上となると、半年から1年くらいかかると想定した心持ちで準備した方がいいでしょう。
また、求人に応募する前にしっかりと準備することで、転職の成功率は大きくアップします。
40代からの転職先の《探し方》
転職エージェントを利用する
「リクルートエージェント」「マイナビエージェント」などに代表される「転職希望者と企業の橋渡し」をするサービスです。
転職エージェントを活用する一番のメリットは「自分自身では見つけられなかった企業を紹介してくれる」こと。相談出来る相手がいることも、転職活動では強い味方となるでしょう。
転職エージェントを利用する上でのデメリットとして覚えておきたいのは、エージェントも”数字(営業ノルマ)”を気にしていること。
「何人転職させたか?」が評価となることが多く「候補者の希望よりもエージェント自身が入社させたい企業を勧めてくる」可能性も0ではないというものです。
転職エージェントを使うときは、紹介された企業の情報を鵜呑みにするのではなく、自分自身でもインターネットで調べてみる(最近のニュースやIR情報など)ことが重要です。
まずは人材系大手のマイナビエージェントにお願いすれば安心!あなたの転職活動に親身に寄り添ってくれます。
求人サイトから応募する
「doda(デューダ)」「リクナビNEXT」「エン転職」などの求人広告が掲載されているWebサイトです。
転職エージェントと違い、応募する企業・職種から応募・面接の日程まで、全て自分自身で管理する必要があります。
求人サイトから応募する際のメリットは、自分の時間がある時に、お手元のスマートフォンで興味のある会社を探して応募することができるので手軽に転職活動を行えることです。
デメリットとしては、面接日程などの調整も企業側と直接行う必要があることと、面接終了後に不採用だったとしても、第3者の振り返り(レビュー)を受けることが出来ないため「どこが原因だったのか?」「改善するべきところはどこか?」を自己診断する必要があることです。
知り合いからの紹介
友達や前の会社の同僚、大学の先輩や取引先からの紹介という方法もあります。
一般的には「縁故採用」や「ヘッドハンティング」と言われる転職の方法です。信頼の出来る取引先や先輩に「転職を考えている」という意思を伝えることで、相手からオファーがあるケースもあります。
この場合のメリットは、入社前にある程度会社の状況を聞ける点と、実力が認められていれば給与交渉などもスムーズに行えること。
デメリットとしては、入社後に「自分には合わないな」と感じた場合でも退職しづらいという点が挙げられるでしょう。
40代の《履歴書・職務経歴書対策》
「履歴書」記入の注意点
「履歴書は手書きで書くべき」といわれていた時代もありますが、いまや履歴書はwordやExcelで作ることを推奨します。
「履歴書を手書きで書くと想いが伝わるから良し」とする人事担当者もいるかもしれませんが、1日に何通も履歴書に目を通す人事担当者の立場に立つと「手書きで読みづらいよりは見やすい活字で作って欲しい」という意見も多いです。
また、40代以上だと「PCが上手く使えないのではないか」という偏見も多少あるので、履歴書をPCで作ってくることで、その不安を払拭することもできます。
40代以上の転職では、少なくとも30社以上・多い人だと100社受けたというケースもあります。1枚1枚手書きで書くのは良いことですが、時間も労力もかかります。その時間をほかの面接対策に使うようにしましょう!
「職務経歴書」記入の注意点
職務経歴書は、過去の実績について「数値」や「行動」を具体的に記載した方がよいでしょう。
「2年連続社内優秀賞を頂いた」や「社内業務の効率化を実現した」などの文言だけでは面接官に伝わり辛く、
「目標〇千万に対し2年連続〇千万で〇〇%以上達成を実現し優秀賞を頂いた」という文言であるなら、面接官もあなたの能力を判断しやすいでしょう。
特に目立った実績が場合は、担当していた業務内容を具体的かつ、なるべく端的にまとめて記載しておきましょう。
在職中の注意点
在職中は転職活動をしていることを社内で他言しないことが必要です。本来は、退職後に転職活動することが望ましいからです。
ご自身の上司や部下に転職活動をしていることを悟られてしまうと、在職中の業務に支障をきたす上、もし転職を思いとどまった場合に会社にいづらくなってしまうでしょう。
人間関係はとてもデリケートなもの。この点は十分に注意が必要です。
40代以上の転職時の面接対策!やってはいけない2つの”NG”
「前職・現職の批判」はNG
面接で必ず聞かれる質問で「転職しようと思った動機は何ですか?」というものがあります。
ここで在職中・退職済みの会社の”批判”をしてしまうと面接官への印象が良くないので絶対に避けてください。入社後も、同じような不満を抱えてしまう可能性が高いだけでなく、他社に自社の不満な点を言いふらされてしまう可能性が見えてしまうからです。
言い方に気をつける必要はありますが、以下のような内容であれば転職を決める理由となりますので、面接官に伝えても問題ありません。
- サービス残業が常態化している
- 36協定以上の残業を強要されている
- 有給休暇が取りづらい雰囲気がある など
「勉強して頑張ります」はNG
40代以上の転職者に企業が求めているものは「やる気」ではなく「経験と実績」。
マネジメント能力や高い実務能力を持っている人材を求めていることが多いのです。
そのため「経験はありませんが勉強して頑張ります」が通用するのは20代までと考えてください。
「〇人の営業部員をマネジメントしていた」などの管理職経験や、「この職種で10年以上、現場の第一線で勤務していた」などの実務経験があれば、積極的にアピールしてください。
どこの企業も「経験のある管理職」が不足しています。40代以上の転職を成功させる重要なカギの一つです。
まとめ
40代以上の転職は、確かに「簡単」とは言い難いですが、まったく不可能ではありません。多くのミドル・シニアのビジネスパーソンが、転職を成功させていますし、いま社会ではこの世代の働き手の活躍が求められています。
転職を成功させた人に共通することは「自分を客観的な目で分析」できていることです。
「自分自身が出来ることは何か?」「応募する企業で自分の今までの経験をどのように活用すればプラスになるか?」などを把握することで、転職の成功率は大きくアップするでしょう。